大津のバスをテーマに「みんなで考えよう これからのくらしと移動」を開催しました
- yasashiikotsushiga
- 4 日前
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3月29日(日)、大津市の大石地域で、「みんなで考えよう これからのくらしと移動 10年後も幸せに暮らせる大津・大石をめざして」を開催しました。
※一般向けと地元向けに少し違ったタイトルをつけています。「路線バスの地域移管から持続可能な交通を考える みんなで考えよう、これからのくらしと移動ー10年後も幸せにくらせる大津・滋賀をめざしてー」と同じイベントです。
今回のイベントは、おおつ交通まちづくり推進会が毎年行っている講演会を、やさしい交通しががサポートする形で、地元の人としっかり話し合うワークショップスタイルで行いました。
会場は、地元の人が集まりやすい大津市 大石コミュニティセンターです。
大石エリアはバブル期に開発された住宅街ですが、バブル崩壊に伴って開発業者が倒産し、開発が中途半端な形で終わっている地域です。オールドタウン化しており、一人一台のクルマを持たないと生活がしにくい土地だと思われています。その場所で、暮らしを支えるバスの問題について、地域の皆さんと一緒に考えました。
●はじめに
この3月に路線バスの運営会社が京阪バスから江若交通へ移管されたことに伴って運賃の値上げが行われました。高くなったからと利用者が減ると、ますます値上がりしたり本数が減ったりして、今後のバス路線の維持が難しくなるかもしれない状況に直面しています。
しかし、バス会社も大津市もお金がないので、ただ文句を言っても解決はしません。市民や地域住民が公共交通の役割や重要性を理解し、参加者自身がこの問題を「自分ごと」として捉え、官民協働の行動を起こすきっかけを作ることが本イベントの目的とお伝えしました。
●お話「実はすごい!大石のバス」
最初に、大石地区(石山駅〜大石小学校)の路線バスがいかに充実しているかを、おおつ交通まちづくり推進会の畑中則宏(やさしい交通しがメンバー)から解説しました。

この路線は日中でも20分間隔のパターンダイヤが保たれ、朝は3〜4分間隔という滋賀県内でも随一の利便性を誇ります。
京阪バス時代から公共交通優先の信号制御システム(PTPS)が導入され、わかりやすい行先表示や様々な乗車券など、利用者目線の工夫が凝らされてきました。
しかし、他地域の路線が削減される中でギリギリ維持されている状態であり、この路線が維持できなくなると滋賀県全体に波及する恐れがあることを指摘しました。
また、子どもの通学への大津市の交通費補助金は、大石地域からの働きかけで実現したことを紹介しています。
●グループワーク1「わたしの移動、今・むかし・未来」
参加者を「大石度」順に並んでもらってグループ分けを行い、自身の移動に関する現状や不安について話し合いました。

通学手段の確保や免許返納後の移動手段への不安、大津市による運賃補助を求める声などが上がりました。
滋賀県の他の地域から来た人には今のバスでも便利に見える一方、京都から来た人には不便に見える、昔からの住民には不便になったと感じるといった、利便性に対する認識のギャップも共有されました。
●ティータイム(休憩)
テーブルトークを終えて、参加者同士で交流しながら10分間の休憩を取りました。
給湯室でやかんや湯飲みをお借りして、お茶とおやつをご用意しました。
お菓子をカンパしてくださった参加者もいらっしゃり、感激!
●お話「くらしやすいまちは交通がつくる」
後半は、まずはやさしい交通しがのメンバー、山田和昭から、 公共交通がまちづくりに与える影響について解説をしました。

大津市の予算のうち、公共交通への投資はわずか0.08%にとどまります。これは全国で見てもかなり低い水準だということ。一方で福祉費や介護費は増加傾向にあります。ここで、公共交通を積極的に使えるようにして、外出を促すことで高齢者の健康が保たれれば、結果的に介護費用の削減ができること、また送迎なしに子どもが移動できるようになれば子育て世代の流入も図れるなど、「正の循環」を生み出せる可能性を示しました。
さらに、バスは多くの人をまとめて運ぶことで、渋滞を防ぐとともに大気汚染物質やCO2を削減でき、人を滞留させることでまちににぎわいをもたらす重要な役割を担っていることをお話ししました。
●お話「くらしの移動を住民が守った地域がある」
続いて、びわこ学院大学非常勤講師の佐々木和之さんから、 住民と行政が連携して地域交通を守った事例を紹介しました。

大津市葛川地域での住民自治によるコミュニティカーシェアリング、同じく和邇地域でのクラウドファンディングを活用したボランティアによるコミュニティバス運行、そして長浜市余呉町で住民自らがバス会社を立ち上げた「余呉バス」、最近始まったばかりの湖南市菩提寺地域でのバス停までボランティアが送迎する取り組みです。 行政に不満を言うだけでなく、住民自身が行動を起こし、行政と連携して問題解決に動くことの重要性が語られました。
●グループワーク「みんなで考えるこれからの移動」
お話を受け、大石地区の交通に関する具体的な提案や疑問をグループに分かれて話し合いました。
大津市による運賃補助への要望や、大石小学校から先の集落へのコミュニティバスを導入したいというアイディア、新名神のサービスエリア開業を見据えた地域活性化、企業の送迎バスを路線バス化するアイディアなどが出されました。
一方で、住民自らが交通を担う際の事故対応や費用負担に関する不安も挙げられ、先行事例からトラブルの解決策を学ぶ必要性や情報共有の重要性を確認しました。


●おわりに
最後に主催者からご挨拶しました。大雪の際にも時間通りに運行された大石のバスの信頼性について触れられ、今後も地域住民とともに交通問題を考え、具体的なアクションが生まれる際には、おおつ交通まちづくり推進会として支援していくと宣言して、会は終了しました。
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おおつ交通まちづくり推進会にとっても、やさしい交通しがにとっても、特定の地域に密着した活動をしたのは初めてのことでした。
アンケートを見ると満足感は高く、地域に小さな種を蒔くことはできたと思います。
さて、これから、この種は育つでしょうか。
地域の方と話していると、自治会組織率も落ちてきて、地域のまとめ役として頑張る人の姿が見えにくい状況にあるのがネックになるように感じました。
そんな中でも、問題を感じて、何とかしたいと考えている人たちが今回は参加してくださいました。ここから、はじめの一歩を踏み出せる人が、出てくるかどうか。
「どうしよう」とぼやいていてもどうにもならないので、そこから一歩進んで動きを作るために、他の地域の方とも意見交換して情報を集め、住民どうしで相談しながら少しずつ進めていっていただけたらいいなと思い、私たちも引き続き応援していきたいと思っています。
(やさしい交通しが 南村多津恵)


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