12月16日(日)、こまち広場しがの最終回となるフォーラム第4回を開催しました。
2日前にプログラムの変更を行い、参加者の皆さんに急きょお知らせするとともに、プロジェクト開始時の記者発表に来られた記者の皆さんにもご案内したところ、直前にもかかわらず4社から取材に来ていただきました。
第1部に35名、ゲストやスタッフを合わせると約50名の規模となりました。第2部ワークショップに残った一般参加者は23名。何度も顔を合わせてきて、すでに仲間の雰囲気が漂っていました。
第1部は3人のゲストを招いたトークセッションです。それぞれの方に、「マイプロジェクト with 近江鉄道」を聞かせていただきました。
お一人目はフォーラム第1回にもお越しいただいた有限会社ヨークハウスの小中儀明さん。唯一無二の店を創り上げ「八日市をデニムの国にする」と決めてすでに10年進めてきていること、人に無理だと言われても自分がやれると思ったら必ずやれるという言葉に奮い立たされました。
二人目は高宮歴史研究部会の青山直樹さん。高宮駅コミュニティセンターを彦根市から任されて運営し、地域の失われつつある歴史文化を子どもや新住民に継承する活動を現場体験とITを使って進めていることをお話しいただき、風景を味わうスローな着地型ツアーを提案いただきました。
三人目はこの秋の2カ月間行われた社会実験のプラッと貴生川の西野日菜さん。貴生川駅に本を置いたりベンチを置いたりイベントをしたりする中で、地域の人の関わりが生まれ、駅が何気なく立ち寄ったりちょっとした楽しみを見つけに来る場所に変わってきた様を報告いただきました。駅と電車を本が楽しめる場にしたいとのこと。
三人をそれぞれ囲んで、さらに根掘り葉掘り聞かせてもらい、意見交換をさせてもらいました。
車内販売もありました。
第2部は参加者の皆さんが主役になるワークショップです。
「しゅっぱつ、しんこーう!」ピリピリピー!と笛の合図をスタートに、「マイプロジェクト with 近江鉄道」を一人ひとりがワークシートに書き込んで、車両のように並んで30秒ずつ次々発表を。プロジェクトをたくさん考えすぎて超高速で発表する人あり、歌い出す人あり、個性豊かな23のプレゼンを楽しみました。
そのワークシートを並べて、皆がひとり1票で投票し、人気を集めた上位の6アイディアを選び出しました。
近江鉄道×自転車
駅ごとバルフェス
地域おこし協力隊合同イベント
沿線の店の車内販売
子ども武将電車
我がまち自慢ジオラマコンテスト
続いてそのアイディアを考え出した6人の運転士さんを囲んだワールドカフェ方式のアイディア交換会です。「これはどういう意味?」「これなら○○駅を拠点にするといいよ」「この地域のこの資源とつながるといいんじゃないかな」など、みんなの意見を受けてプロジェクトの内容がふくらんでいきました。
最後に各運転士さんから、より魅力的に変貌したプロジェクトを発表していただきました。いずれも楽しそうで、すぐにでも動かしたくなるような事業ばかりでした。
今回はプロのグラフィッカーの手を借りられなかったので、スタッフによる素人の板書です。裏方で走り回る合間に書いていて、雑なのも愛想が足りないのもご勘弁。↓
今回のトークセッションとワークショップを進行したのは滋賀県立大学の上田洋平さん、谷口嘉之さんでした。
福井県では廃線の危機を目前にして鉄道を守る運動が盛り上がりましたが、近江鉄道線はまだそこまでいかないから人々の気持ちも熱くはない。だったら、鉄道はこういうふうに使えばまちはもっと楽しくなるんじゃないかというアイディアを一つずつ実現しながら、鉄道に関わる人を増やしていく。
関わり方も人それぞれで、運転士になりたい人もいれば、乗客になる人も、沿線から手を振る人もいる。一人ひとりが自分の好きな方法で関われるようにしていけばいいのです。
フォーラムのプログラムは一区切りですが、「まちづくりと交通の広場」はこれで終わるわけでもないとして、全4回のフォーラムを受けて、大学として今後こんな場がつくれるかも、とお二人から提案されたのは「コミュニティ・モバイル・カレッジ」構想です。
これは近江鉄道沿線全体をキャンパス=学びの場にするというもの。
「のる、みる、であう、まなぶ with 近江鉄道」プロジェクトです。
沿線エリアの人たちの学び合いの場として、教える側になるのもいいし、教えられる側でもいい、SNSで見ているだけでもいい、いろんな関わり方ができます。
駅の個性を発信して、間を近江鉄道がつなぐ。
各講座は先生役の人が企画運営をする。助けてもらうために仲間集めをする。地域の活動団体が自分たちでブースを出しているガチャフェスのようなイメージです。
今回のフォーラムで出会った人たちをつなげるだけでもすでに2〜3年分の連続講座ができそう。
この4回は楽しかったね、だけで終わらないように、大学ならこんなことができるし、皆さんのプランも実現できます。次の行先に進むためにぜひつながっていただけたら、という呼びかけでワークショップは終了しました。
そして、修了式です。
10月の第1回からこの日までに3回以上のワークショップまたはフィールドワークに参加された方に修了証を進呈するというお約束どおり、途中下車をされずに最後まで頑張られた17人の完走者に修了証を代表より手渡しました。おめでとうございます!
修了の要件は満たさなかった方にも、今日の参加者全員にスタッフ手作りの乗車券スタイルの参加証を進呈しました(本記事の下部参照)。
宇都宮代表からご挨拶を申し上げました。
「このフォーラムで、鉄道には人や地域をつなぐ力があることを実感されたことと思います。
上下分離で来年4月から近江鉄道線が地域に住まう私たちのものになることによって、人をつなぐ仕掛けを自分たちで実践していくことができるようになります。
だからこの4回を知識を得たスタート地点として、次のフェーズに向かってまた始まっていきます。すぐに結果は出ないし失敗するかもしれないけれど、試すことが重要。やってみたことが財産となれば、近江鉄道、滋賀の取組は、大げさだけれど日本のパイオニアになると私は本気で思っています。滋賀から情報発信できる、これはものすごいことだと思う。その主人公が今日の皆さん。このきっかけをつかんで、みんなで進んでいきたいと思っています。」
参加者の皆さんからも一言ずついただきました。
各々がとても晴れ晴れとした前向きな言葉を口にされるのを聞き、私たちスタッフも企画者冥利につき、本当にやってよかったと思うことができました。
集まって共に学んでくださった皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。
急な案内にも関わらず駆けつけてくださった記者の皆さんのうち3人が最後までしっかりと付き合ってくださいました。
そのうちのお一人からは「お誘いいただいて本当によかったです。非常に内容が濃く楽しかったです。今日が歴史的な日になる気がします」とうれしい言葉をいただきました。
先の記事で第4回への参加を呼びかけ、「新しいものが生まれる現場に居合わせれば、もしかすると新時代の萌芽の目撃者、あるいは当事者になれるかも」と書きましたが、本当にそうなったのかもしれません。
もっともそうなるかどうかは、今後の私たちの頑張り次第なのですけれど。
さあ、だから、また始まります。これで終わりません。
たぶん2月に、何かやります。ぜひ一緒にやりましょう。途中乗車は大歓迎、新しい仲間も誘ってください。
みんなで列車のように連なって、私たちのもの、近江鉄道線を活用して徹底的に楽しんでいきましょう。
記念撮影。
4時間半に渡るハードなプログラムを完走して、やや疲労がにじんでる?
でも、みんな充実感でいっぱいの顔ですね!
みんなで創り上げた、幸せな幸せな一日と3カ月間をありがとうございました。
これからもまだまだ、線路は続くよどこまでもー!!
今回の参加証です。カワイイ。
(やさしい交通しが 事務局)
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