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こまち広場しが始まりました! 第1弾は日野フィールドワークで公共交通体験

  • yasashiikotsushiga
  • 13 時間前
  • 読了時間: 7分

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 まちづくりと交通の広場しが2025(こまち広場しが)、まちと交通の未来づくりフォーラムが始まりました。


 第1回フォーラムに先んじて8月21日(木)にスタートしたのは、日野フィールドワークの1回目、「まちをめぐって日野の交通を考えよう」。会場は日野駅舎内のコミュニティスペースなないろです。関係者を含めて26名が集まりました。


1.公共交通の乗車体験

 9時に集合して、日野町交通環境政策課から日野町内のバスとAIオンデマンド交通のチョイソコひのについて説明を受けました。

 それから四つのグループに分かれ、グループごとに「○○へ行って、途中で食事を摂って、13時までに戻ってくる」という課題をこなすため、バスや近江鉄道のダイヤを調べました。そしてそれぞれに違う交通機関に乗って日野町内めぐりに繰り出しました。


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 ほとんどの方が日ごろ日野町内で公共交通をあまり利用していないとのことで、行きたいところに行くバスの時刻表を見つけるだけでも一苦労です。日野町営バスと近江鉄道バスの日八線との連携がうまくいってなさそうなことにも気づきました。



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 4グループそれぞれに、近江鉄道の構内踏切の罠にはまったり、トイレや食事で乗り遅れて炎天下を歩く羽目になったり、乗ろうと思ったバスがワゴン車タイプでグループ全員が乗り切れずに積み残されたり、様々な困難に直面することになりました。チョイソコを利用したグループは、利用申込みや予約変更で苦労しました。

 公共交通の利用者はいつもこんな思いをしているのだなということを肌で感じる機会になりました。


 なないろに戻ってきて、午後はグループワークと講義です。


2.グループワーク1 体験はどうだった?

 チームごとに午前中の体験についてふりかえりました。


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・意外とバスの本数は走っている。頑張ればクルマなしでも暮らせなくもないけど窮屈になる。自転車は使うようになる、体力がつく。

・今回は観光気分だったから楽しめたけれど、住民は無駄にぐるぐる回る非効率なバスを利用するのは避けたくてクルマ利用になるだろう。

・出費がかさむ。大人数での移動にむいていない。

・ICOCAが使えなかったり、QRコードが読めなかったり、チョイソコの予約が難しかったり、駅待合室に空調がなかったり、ハード面の問題がある。

・路線図を見ても運賃がいくらかわからない。

・乗り合わせた他のお客さんとのコミュニケーションが楽しかった

 などの感想が上がっていました。

 公共交通での移動はポジティブに捉えられることもあるけれど、現実に毎日の暮らしに使おうと思うと、改善したいところがたくさんあることがわかりました。


3.講義「日野町と同じ人口2万人、飛騨市ができたこと」

 続いて、やさしい交通しがメンバーの松原光也(名古屋大学大学院環境学研究科 講師)から、話題提供です。岐阜県飛騨市の公共交通改善事業に関わる立場から、バスの利用促進のために打った様々な施策について話していただきました。

 住民懇談会や区長意見交換会で意見を聞き取り、バスの路線やダイヤの見直し、買い物支援の取組をバスの貨客混載で効率化、バス停や交通拠点の見直し、高校生とのワークショップ開催など、たくさんの施策を細やかに打ってきたことでバスの利用者が増えてきたことがわかりました。これらを市の予算の1%をかけることで実現されてきたそうですが、だいたい他のまちでは0.5%ぐらいが普通なのだそう。本気でやるにはそれなりの投資が必要なのですね。


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 他にもたくさんの情報提供がある密度の高いお話でした。印象に残ったのは、住民懇談会でバスについて聞き取りを行っただけで、利用者数は1.4倍になったということ。私たちの地域には使えるバスがあると気づかれていなかったのだということでしょう。


4.講義「日野町で地域交通計画を作るなら? 幼児教育保育の在り方検討懇話会の取組を参考に」

 講義の二つ目。同じくメンバーの南村多津恵(滋賀地域交通ワークショップ ファシリテータ)より話題提供。2022年度から2023年度にかけて、日野町が行った幼児教育保育の環境を住民参加で考えるための取組について紹介しました。この2年間で町内で37回のワークショップが行われ、子育て層、地域住民、幼児教育者のべ700名ほどの意見が集められたという、住民参画での計画づくりでは先進的な取組です。


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 これを参考に、地域交通計画をつくるための住民意見の聴取をやってみてはどうか、という提案をしました。


5.講義「まちと交通」

 三つ目の話題提供は、メンバーの山田和昭(日本鉄道マーケティング代表)より、まちのかたちと交通のあり方との密接な関係について紹介しました。


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 まちがにぎわい活性化するためには、人が集まってきて歩いていられる環境が必要で、メインストリートに車をバンバン通す環境では、歩く人はいなくなり、まちは周縁部に広がっていき、にぎわいもそこにしかない文化も失われることが彦根市やアメリカのまちの例から語られました。

 欧州では自動車依存の見直しが始まっているけれど、日野はこのままでいいのですか、公共交通は放っておけばなくなってしまうから、あるうちに皆で考えていってはどうかと提案がありました。

 日野町は住民意識がとても高いまちなので、仕掛けていけば変わる可能性があり、ぜひ期待したいところです。


6.グループワーク2 これからの日野町をどうしたい?

 体験と講義を受けて、ではこれから日野町をどうしていきたいか、様々な問題を「交通」を使ってどう解決していくか、それを町民の間でどうやって合意を取っていくか、について、グループで話し合いました。

 通勤渋滞や、団地内の道が狭いこと、子どもの送迎、通学定期が高い、東海道線に出る手段が少ないなど、様々な問題が上がりました。

 解決のために、住んでいるところから移動15分以内で生活のすべてが完結する15分シティにしたい、LRT(新型路面電車システム)がまちなかを走り回るようになればいい、公共交通は町民は無料にする、近江鉄道線もバスも本数を増やす、などの案が出て、住みやすくなれば人が増えて学校や工場ができるという話も出ました。

 一方で、日野は住みやすいけれど中途半端だ、車があることを前提にした暮らしになっているから、クルマ依存が問題だと言われても現実問題として考えがたいという意見も出ました。


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 地域の声、若い人や子ども、障がい者などの意見をきちんと聞いていく、時間をかけて各字に説明に回って公共交通のメリットを伝えていく、日常的にこの問題について話せる場をつくっていくことが必要だということがだいたいどのグループでも話し合われたようです。


7.終わりに

 開催にご協力いただいた日野町の交通環境政策課から、今回は実際に体験した人の生の声が聞けて参考になった、もっとわかりやすい周知が必要だと感じた、いただいた意見や講義の内容を参考にしながら、町民に自分事として捉えてもらう場を持ちたいと、ご挨拶をいただきました。

 

 それから、今後の「まちと交通の未来づくりフォーラム」の開催予定をご案内しました。

 特に、ここ日野町ではあと2回のフィールドワークを開催します。

 企画に協力いただいている(一社)こうけん舎の西塚和彦さんからご案内いただきました。


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 9月11日(木)は、交通とコミュニティの結節点であるなないろを拠点にしたまちづくりについて皆さんに知っていただく場。この回を受けて、次回の企画につなぎます。

 10月12日(日)は近江鉄道100円デイ、ガチャフェスに合わせて、絵画展やブース出展、ライブ、花火、地元の日野高校の協力で三雲養護学校のぐい飲みをつけて日野にルーツのある15の酒蔵のお酒を4杯飲めるチケットつきで販売するなどの「日野が好きだ」というイベントを開催します。9月11日はその裏側を知る貴重な機会になります。


 近江鉄道沿線でこれだけ広がりと深みを持った活動をしているのは日野だけです。全国から注目されている活動を内側からのぞけるチャンスです。

 日野フィールドワーク、2回目、3回目、今からでも、続けてでも参加いただけます。お待ちしています!


詳細・お申し込みはこちら → https://hino-fw.peatix.com/view


(やさしい交通しが 南村多津恵)

 
 
 

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まちづくりと交通の広場 しが

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TEL 080-6717-0448(山田)

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